O02- お好み焼き屋台からの撤退

2013年7月から約3ヶ月間、マニラにてお好み焼き屋の屋台をしてみた。結果から言うと『商売としては完全に失敗』だった。ただこの経験は僕の今後にも役立つだろうし、この経験を公開することでフィリピンで起業したいという人に参考にしてもらえればと思う。尚、お好み焼き屋を始めるまでの経緯は【コチラ】を参考にしてください。

 

 

□選んだ『場所』と『協力者』

開業にあたり選んだ場所は『SMモール』の裏手にあるローカルなモールでした。近くにはジプニーやトライシクルのステーションがあり人通りは十分です(テスト販売をするには『人』がいないと始まりませんからね)  ただしそのエリアはSMモールと違い『富裕層は来ません』からローカルなフィリピン人が顧客対象です。それも仕方ありません。何の実績もない屋台がSMモールの中に入るのは難しいと聞いていたのでまずは外で実績を作ってとおもったからです。

 

そのテナントにはもう1つ大きな利点がありました。そこを含め3店舗の屋台スペースを借りて商売をしているフィリピン人オーナーNの協力を得られることになったからです。モールの運営会社には内緒ですが、オーナーNの名前を借りることで、役所の手続き、税金、またテナントを借りる時の敷金・礼金などを払わずに済みました。フィリピンでの起業を調べたことのある人なら、それらの大変さは分かっていると思いますが、新しいビジネスを試すには大きなポイントでした。

 

これは誰かに問題を指摘された時に『言い逃れができるだろう』という予測の元でなりたっています。僕は店舗にはあまり行きませんし、聞かれたらオーナーはNだと言えますし、僕は友人の店にアドバイスをしていると言えます。また厳密にいえば違法なので自己責任でお願いします。ただし正攻法で飲食店を持つのはハードルが高いですよ。法人としてスタートしたところで日本人が深く関わっているということで『難癖を付けられる』というのはよくあることのようですから。

 

こういった商売においては『小さく試す』というのは僕的にはMUSTです。実際に商売が軌道にのるようなら、そこではじめて法人成りなどを考えればいいと僕は思っています。儲かっている店でないかぎりワザワザ調べてタカろうなんて人は少ないと思います。それとこの国では少々のリスクは負わないと何もできないと思います。

 

 

□お好み焼きがフィリピン人に売れるか??

さて、商売を始めるにあたって、難しいのは予想していました。そのエリアは料理が安く、それは激安の人件費と高い原価率でなりたっているのを知っていたからです。マニラの最低賃金は1日約450ペソ。ただしそれが適用されていない人はかなりの数になります。法律と実態の乖離がありすぎるのがフィリピンの現状です。話が少しそれましたが、そのエリアで働いている人の賃金は1日約150ペソのようでした。僕のスタッフの半分以下の賃金です。試算すると利益を出すには『結構な数のお好み焼きを売る必要がある』ということが分かってきています。ただし様子を見て『次のステップ』も考えていましたから『実際にやってみてデータを取る方が早い』ということでのスタートでした。

 

 

さてこの商売を成り立たせる上で『お好み焼きがどれだけ受け入れられるか』が最も重要でした。いくら原価率が高くても、人件費や他の店の2倍以上であっても、売上がそれだけあがれば採算は合うはずです。それさえ何とかなれば営業時間を伸ばすとかデリバリーを始めるとかいろんなオプションで利益率をあげることは可能だと考えたからです。

 

ですが『お好み焼き』は『予想以上に売れなかった』のが現実でした。事前の調査では食べた人の多くが『美味しい』という評価をくれました。それは実際の店舗で食べた人もそうですし、リピーターも出てきました。ただし『新しい食べ物を試す』ということが予想以上にしてもらえませんでした。ローカルなフィリピン人は『定番の食べ物が好き』みたいです。ある本に書いてありましたが『新しい食文化はまず金持ちが試し、それがだんだんと庶民に降りてくる』のだそうです。本当のところは分かりませんがこの結果を見るとそのような気もしてきます。

 

『採算が取れるかどうか』も大事ですが『売上が上昇傾向か』ということはもっと大事でした。赤字が続いていても上昇傾向なら6ヶ月は続けるつもりでした。ですが売上は採算ラインの半分以下で止まりました。現場のスタッフと相談しつつ新しい料理を投入したりもしましたが、現在の僕たちの力では解決は不可能だと思い『撤退を決意しました』それほど大きな支出ではありませんがジリジリと策もないまま赤字を垂れ流すのは良くありません。その分の資金は次の商売に活かしたいと思いますし、ちょっと間を置いてまた戦略を練りなおしてまたフードビジネスにもチャレンジするかもしれません。

 

 

 

 

□『得たモノ』と『失ったモノ』

僕は今回のチャレンジで『推定40万円』ほど損失を出しました。予算としては『6ヶ月で50万円〜100万円の出費』を見込んでいました。売上が予想以上に悪かったので結果的には損失は膨らまずに済んだワケです。

 

得られたモノとしては『経験』ですね。『フィリピン人スタッフがどう動くか』『お客さんの反応』『まわりのテナントの反応』など、ここではあまり言いたくないこともありますが、おおむね問題なく終了することができた(執筆時点ではまだ営業してます(^_^;))と思います。

 

また実際に販売してみてお客さんから『美味しい!』とか言ってもらえたり、スタッフが『これはどうですか?』といった提案をしてくれたり、今まで聞いていたフィリピン人の(怠惰な)イメージとのギャップもあって興味深かった。彼女らなりに頑張ってくれました。感謝しています。

 

 

失ったモノとして一番おおきいのが『スタッフ』ですね。事前に『テスト販売でうまくいかなかったら閉店するよ(解雇する)』と言ってあったとはいえ、いざその決断をするのは辛いものがありました。この屋台のために雇った(来てくれた)スタッフ2名(C&A)は両方とも『いい子』でしたから。

 

2名ともに『チャンスをくれてありがとう』という風に言ってくれました。

 

 

僕は今後も『ボチボチと計画を練っては起業』そして『廃業しては休んでまたチャレンジ』ということを繰り返すと思います。『いつかビジネスを軌道に乗せて彼女らを取り戻したい』と心の中で思っています。『申し訳ない』という気持ちは今も残っていますが、いまはまだ僕の力が足りなかったのだ。と少し客観的に見るようにしています。

 

(この状況でもちょっと辛いのに、長年会社に貢献してくれてた社員をリストラしなければならない経営者というは精神的には相当なものがあるのだろうって思います)

 

 

 

 

 

□『試した料理』や『今後のこと』

投入した料理は『カキ氷(時期が悪かった)』『緑茶(まぁまぁ)』『フィッシュボール(ローカルフードの定番で呼び水として、一定の売上あり)』、それから『ホットサンド(最後なので試してみたかっただけ)』

 

あとは出来なかったのが『焼きそば(見つけた麺がそれ以降みつからず)』あとは『焼鳥』とか『フライドチキン』は定番でありつつ日本風の味付けも出来るので『有力』だと思っていましたが、同じオーナーがフライドチキンを隣の屋台で出しているので『競合を避ける為に控えました』・・・こっちの国では『いかに儲けるか』ということ以上に『いかにトラブルを避けるか』ということが重要だと思っています。

 

 

今後はシェアハウスMA(安宿)を継続しつつ、次の商売を模索したいと思います。フィリピンでの商売をしている人、考えている人はMAに来てくれたら僕の経験をお話できると思いますし、場合によっては協力し合えることもあると思いますよ。